CCPMのセミナー

会社の先輩に誘われ、
午後からCCPMセミナーに行ってきました。
CCPM:Critical Chain Project Management(クリティカルチェーンプロジェクト管理)

https://www.toc-ccpm.net/seminar/shousai.php?s=20080111


同じ会社から4人組で参加。
前半講義、後半実践編です。
後半は一つ自分達のプロジェクトを選んで、そのプロジェクトの計画を作っていきます。


これ、思った以上に面白かったです。
今までの進捗管理で、何がどのくらい遅れてて、今どうやばいのかって、
実はあまり見えていませんでした。
それが、今回やったCCPMではかなりはっきり遅れ(余裕)がわかる方法でした。

進捗管理で、着手したら何%、レビューが通ったら何%みたいなのがあるけど、
それだと、そのタスクの将来が全然見えません。
あと10%が何日かかるか見通せないです。


今回教えてもらった方法は、過去でなく、未来を見て管理する方法ということでした。
懇親会のときに教えてもらった例えは、カーナビの到着時間予測です。


カーナビでは、目的地を入力したら、その後常に到着予想時刻が表示されます。
それはいろんなデータからの予測値。
ただ、実際はいろいろなことが起こります。
渋滞とか、休憩とかの遅れ、かなり飛ばした場合の進みetc。
とはいえ、到着予想時刻は常に最新の位置をもとに、
到着地までの予想をたてます。過去は振り返りません。
なのでもちろん予想時刻が早くなることもあるし、遅くなることもあります。


なので、進捗管理のためには、各タスクごとに、
どのくらい終わったかを聞くのではなく、あと何日で終わるかを聞いていきます。


そして、ゴールまでの計画表を更新し、期日までにどのくらい余裕があるのか、
はたまた全然ないのかを計算します(今回はツールが計算してくれました)。


余裕がたっぷりあれば、そのまま今やってるタスクを一生懸命やるだけ。
余裕がなければ何らかの手を打つことになります。
どのくらいから余裕アリとみるのか、余裕なしとみるのかも指標があるので、
ツールでは色で示してくれます。
緑なら余裕、黄色なら対策を考え始める、赤ならすぐに対策を実行に移す。


なるほどね。でもそこのツールの会社の方に聞いたところ、
一番難しいのは黄色赤になったとき、どんな対策を立案し、それを実行するのか
というところだそうです。そりゃそうだなぁ。
CCPMはPJマネジメント全般をカバーする手法ではなく、
進捗管理でうまく遅れ(現在の余裕さ加減)を検知する手法のようでした。
(計画立案も含む)


個別最適(各個人の一つ一つのタスクを早くやるようにする)というのだけを
一生懸命やっていても、木を見て森を見ずになってしまう。
それだけで終わらないように、
各タスクに依存関係をつけ、タスクをネットワーク状にした計画をたて、
各タスクにあったサバ(バッファ時間)を各タスクからは引き剥がし、
全体でまとめて持つ。
そうするとタスク間の依存関係を整理できて、全体最適の視点で
スケジュール短縮ができることが多い。
しかも個別最適の寄せ集めより大幅に短縮できることが多い。
そのあたりも特徴のようでした。


最後に受講時のメモをそのまま残しておきます。

メモ

日本ではCCPMはなじみやすい(浸透が早い)
  昔の日本・・・コンセンサス ⇒ デシジョン
  海外  ・・・デシジョン  ⇒ コンセンサス
 CCPMは昔の日本タイプ


対立(コンフリクト)が発生するのは間違った思い込みがあるから
自然界はharmony


大野耐一ゴールドラットにとってのヒーロー


大野耐一の考え方・・・これは汎用的
 トヨタ生産方式・・・トヨタの工場向け
 CCPM     ・・・???向け
 DBR      ・・・???向け


上が判断するための見える化
 →百害あって一利なし


トヨタ
 数字だけ見て上が判断することはない
 かんばんを使う
  →自律神経
   判断するのは現場、反射神経的に


精神論は何の役にも立たない
 「経営者意識を持て」と何百回言われて経営者意識が持てる人はいない


複雑だけどシンプルに捕らえる


問題点の連鎖を断ち切る
 →インジェクション


バッファ
 サバを読む⇔サバを取るのコンフリクトを解消している


進捗率90%から工期が倍になることはざら
百里行くものは90を半ばとす


「あと何日」で管理
 何日遅れ(or進み)かすぐわかる 
  ⇒先手管理
   チームワークを作る
   掛け持ち防ぎ、仕事に集中
   腹のうちを見せ合う信頼関係
 緑のとき :担当が集中していればOK
 黄色のとき:マネージャによる対策立案
 赤のとき :経営による対策


ODSC
 ・目的(Objective)
 ・成果物(Deliverables)
 ・成功基準(Success Criteria)
 視点→財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、成長と育成の視点、経営理念、社会貢献


科学的段取り八分
 ゴールからさかのぼって計画を立てる
  ○○したら××できるんですよね?
 リスクが高いものは早めに


【実践編】
ODSC
 素の言葉で
 ファシリテート・・・以下を繰り返す
  「他にないですか?」「それだけですか?」「6つの視点」


後ろから段取りを引く
 「ODSCを達成させるための最後のタスクは何ですか?」
 「この直前にやることは何ですか?」
 「本当にそれだけですか?」
 「これができたらこれができるんですね?」
 「何日でできますか?」
 「誰が担当しますか?」


【作業】
 体言止は×
 

【まとめ】
終礼の風景
 作業者に入力させずにリーダーがみんなに聞いて入力
 コミュニケーションの場として大事
 「あと何日?」
 「問題があるとしたら何がある?」


従来の進捗管理 →過去の管理、今から変えられない
CCPMの管理 →ゆとりの管理、今から変えられる


CCPMはただのマネジメント手法でなくて、経営改革までできてしまう