『白川静 - 漢字の世界観』

これもまた、編集学校に通っているから知って、
知っただけじゃなく読んでみようと思った本。
去年の今頃だったら、絶対読まなかった類の本。

http://www.amazon.co.jp/dp/4582854400

正直、今まで知識ゼロだった分野なので、
一度読んだだけでは理解できない。
(これ自体が白川さんの入門書なんだけど、、、)
今まで漢字のことなんて、深く考えたこともなかったなぁと思う。


なので、今の段階で強く印象に残っているのは、
次の2つのポイントです。


[1]白川さんの生き方
漢字を研究対象にしているけど、
実は東洋学≒日本学を追い求めていた白川さん。
圧倒されます。
本格的に大学に入って研究を始めたのが30歳すぎ。
それから、しばらく世間に広く認められるまで
時間がかかります。
集大成は大学を定年退職されてから。
ずーっと自分を強く持ち続けた信念の人だったのだなぁ。
やろうとしたことがどんなに遥かな道でも、
自分を信じて進み続けたんだなぁ。
最近、短期的結果だけじゃなく、長期的な結果も
考えてみようとしていた自分だけど、
"長期"の期間が全く違っていた。
一生なんだなぁ。


[2]日本における漢字
漢字は中国からの借り物。
なのだけど、それを日本は自分のものにしている。
国字として、完全に取り込んだ。
自分たちに合うように。
訓読みもそうだし、ひらがな、カタカナとの使い分けもそうだし。
著者の言葉でいう、「デュアルスタンダード」(ダブルスタンダードではない)。
さっき、漢字を深く考えたことがなかったと書いたけど、
日本や日本語というものもあまり考えたことがないんだな。
プログラミング言語でもある話だけど、
使う言語で考え方とか世界観とかやっぱり変わるんだなぁと
いう一端に触れた本でした。


今の師範代コース終わって落ち着いたら、また読んでみよう。